夫が出戻りの幼馴染と「焼け木杭に火がついた」と浮気していたので、そのまま燃やしてしまってもいいですよね?
「その嫁を捕まえてちょうだい!」

 金切り声で義母が叫ぶ。

「なんの罪ですか? 痴話げんかというよりも、家庭内のことは騎士団は不介入ですよ。ただ不貞はねぇ……」

 ノアはそう言いながら、夫たちを睨みつけていた。

「どちらにしてもコレは連れて帰ります。慰謝料他、よく考えた方がよいですよ。家名に傷がつきますからね」

 それだけ言うと、ノアは私の体をひょいっと抱き上げる。

 悔しさと悲しさでもう訳がわからない私は、抵抗する気力もなくなっていた。

 そしてノアが用意した馬車の中で、ただ縋るように泣き続ける。
 お酒なんて飲むものじゃなかった。
 こんなにも感情が抑えきれないなんて。

 ノアは何も言わず、ただ私を抱えながら、背中を擦ってくれていた。
 子どもの時に戻ったかのように。

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