世界で1番近い君と、1番遠い初恋
中学3年生の冬、瑠華から
「高校からはまた地元の家に戻れることになった」
というメールが届いた時、俺の心臓は狂ったように打ち鳴らされた。
『高校はまた地元の学校に通うよ。また会えたらいいね。』
逢いたい。
今すぐ走っていって抱きしめたい。
死ぬほど逢いたい。
だけど、今の俺の隣には、一人になるのが怖くてまた作ってしまった''新しい彼女''がいた。
ずっと一途に俺を信じて待っていてくれたかもしれない瑠華の前に、次々と彼女を変える軽薄な男になり下がった俺が現れたら、瑠華はどんな顔をするだろう。
軽蔑するだろうか。
汚いものを見るような目で冷たく引き下がるだろうか。
……いや、それでいいんだ。
瑠華との約束を自分の弱さで破り、他人に逃げ続けた最低な男には、最初から瑠華の隣に立つ資格なんてないのだから。
俺は涙を必死で押し殺しながら、自傷行為のように、今カノの手をぎゅっと強く握りしめた。
掌から伝わるその温もりが、まるで冷たい毒のように俺の身体を蝕んでいくのを感じながら。