相合い日傘は持っていない
「紬、本当に大丈夫か?電車の中で意識失ってたぞ」

はっ!れ、蓮がいるの忘れてた!

「ごめんね、本当に…」

私は2回目のお姫様抱っこをされていた。

「謝ることじゃねぇ」

「ありがと」

蓮の優しさに甘えちゃってる。

「あ、蓮、もう抱っこしなくて大丈夫だよ!」

「家まで送る」

え!?わ、私家まで蓮に抱っこしてもらうの?

蓮がにこっと笑う。

すると突然、背後から声がする。

「あー!!蓮くん♡」

「ねえねえ!今日一緒にカラオケでも行かない?」

「かっこいい♡」

「蓮くん大好き……♡」

どうやら、蓮が好きな集団らしい。

そんな女子達に蓮はそっけない態度をとる。

すると、ある一人だけには他の子達とは違う態度をとった。

「蓮くん、あのさ、これ忘れ物」

彼女が渡したのは『宮原蓮』と書かれたノートだった。

「お、サンキュ。」

チクッ

なんだろう。この胸の痛さ。

他の女の子が蓮の私物を触っているのが、とてつもなく嫌だった。

「紬、いくぞ……って、どうしたんだよ」

私はなぜか涙が出ていた。

「ごめん。私、もう帰るね」

私は一人で家に帰って行った。
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