『みすとら』 小さな恋の物語
14.ここあちゃんが、カマキリをヤギにする
その日は、朝から校長先生が教室にやって来ました。ベレー帽を被って、エジプトの民族衣装のガラベーヤを着ていました。足元は、何故かエナメルの靴でした。
「さてみなさん、今日は『触れ愛ドーブツデー』です」
「え? あれからひと月すぎましたっけ?」ユキが言いました。
「美雪さん、良い質問です」
「(そらぁ、質問するでしょう)」ユキは、心の中で言いました。
「今日のドーブツさんたちは、非常に情緒不安定になっています。しごき過ぎました。鍛え過ぎました。厳しくあたり過ぎました。ですからドーブツさんたちは、みなさんと遊んで元に戻らなければいけません」
「元に戻る?」全員がこの一言に食いつきました。
「みなさんは、それぞれ、どのドーブツさんと遊んでいたか覚えていますか? はい、美雪さん」と、ユキを指名しました。
「私はいつも、白黒のブチ猫と遊んでいました」
「はい、きよ美さん」続けて私を指名しました。
「私はいつも、ハリネズミさんと遊んでいました」
「はい、カスミさん」続けてカスミを指名しました。
「あは~、やぎさんと遊んでいました」
「はい、そよりさん」続けてそよりさんを指名しました。
「私は、ゴールデンレトリバーと遊んでいました」
「はい、ここあさん」続けてここあちゃんを指名しました。
「わたしは、その他のドーブツさんたちと遊んでいました」
「はい、その通りです。みなさんは、いつもどのドーブツさんと遊ぶか決まっています。ですが、それではいけません。時には、違うドーブツさんと遊んでみるのです。これも一つの経験です。姿が同じならば同じ人、姿が変われば違う人なのです」いつも、『世間の危険さ』しか話さない校長先生が、いつもとは異なる一面を見せていました。
「こころが同じならば同じ人、こころが変われば違う人なのですか?」と、そよりさんが質問しました。
「そよりさん、良い質問です」と、校長先生が言いました。
「態度が良ければ同じ人、態度が悪いと違う人とも言えます」もう訳が分からなくなりました。
「見てくれ良ければイケメンで、見てくれ悪けりゃブサメンだ、
女性にマメならモテるのよ、アレコレ欲しがる欲張りや、
優柔不断はダメですよ、しっかり決断しておくれ・・・」話を聞いていて、みんなウンザリしてきました。
「そよりさん、ダメよ~。校長先生は喋(しゃべ)り負けしたくない性格なんだから~」とユキが小声で言いました。
「そうなのよね~。しくじったわ~」そよりさんは、反省していました。
「トンカツ乗ってりゃカツ丼で、
テンプラ乗ってりゃ天丼だ
卵で包めばオムライス
近ごろ食べておりません!
うお~! 盛り上がって来たぜ~!
・・・
・・・」
「みなさん、そろそろお時間です。ドーブツさんたちと触れ合いましょう。ここは、私に任せてください」と、松柳先生が促してくれたので、みんな助かりました。
「校長先生は、そばに誰かいればいいのです」と言って、校長先生を体育館のステージ上に誘導し始めました。私たちもその後をついて行きました。
「さてみなさん、今日は『触れ愛ドーブツデー』です」
「え? あれからひと月すぎましたっけ?」ユキが言いました。
「美雪さん、良い質問です」
「(そらぁ、質問するでしょう)」ユキは、心の中で言いました。
「今日のドーブツさんたちは、非常に情緒不安定になっています。しごき過ぎました。鍛え過ぎました。厳しくあたり過ぎました。ですからドーブツさんたちは、みなさんと遊んで元に戻らなければいけません」
「元に戻る?」全員がこの一言に食いつきました。
「みなさんは、それぞれ、どのドーブツさんと遊んでいたか覚えていますか? はい、美雪さん」と、ユキを指名しました。
「私はいつも、白黒のブチ猫と遊んでいました」
「はい、きよ美さん」続けて私を指名しました。
「私はいつも、ハリネズミさんと遊んでいました」
「はい、カスミさん」続けてカスミを指名しました。
「あは~、やぎさんと遊んでいました」
「はい、そよりさん」続けてそよりさんを指名しました。
「私は、ゴールデンレトリバーと遊んでいました」
「はい、ここあさん」続けてここあちゃんを指名しました。
「わたしは、その他のドーブツさんたちと遊んでいました」
「はい、その通りです。みなさんは、いつもどのドーブツさんと遊ぶか決まっています。ですが、それではいけません。時には、違うドーブツさんと遊んでみるのです。これも一つの経験です。姿が同じならば同じ人、姿が変われば違う人なのです」いつも、『世間の危険さ』しか話さない校長先生が、いつもとは異なる一面を見せていました。
「こころが同じならば同じ人、こころが変われば違う人なのですか?」と、そよりさんが質問しました。
「そよりさん、良い質問です」と、校長先生が言いました。
「態度が良ければ同じ人、態度が悪いと違う人とも言えます」もう訳が分からなくなりました。
「見てくれ良ければイケメンで、見てくれ悪けりゃブサメンだ、
女性にマメならモテるのよ、アレコレ欲しがる欲張りや、
優柔不断はダメですよ、しっかり決断しておくれ・・・」話を聞いていて、みんなウンザリしてきました。
「そよりさん、ダメよ~。校長先生は喋(しゃべ)り負けしたくない性格なんだから~」とユキが小声で言いました。
「そうなのよね~。しくじったわ~」そよりさんは、反省していました。
「トンカツ乗ってりゃカツ丼で、
テンプラ乗ってりゃ天丼だ
卵で包めばオムライス
近ごろ食べておりません!
うお~! 盛り上がって来たぜ~!
・・・
・・・」
「みなさん、そろそろお時間です。ドーブツさんたちと触れ合いましょう。ここは、私に任せてください」と、松柳先生が促してくれたので、みんな助かりました。
「校長先生は、そばに誰かいればいいのです」と言って、校長先生を体育館のステージ上に誘導し始めました。私たちもその後をついて行きました。