ノースポールの花が咲く前に〜ルーチェと光〜
「ねぇ……!ねぇ……!大丈夫?起きて!」

体を揺さぶられ、ルーチェ・クロウディアは目を開ける。開かれた紫の目が見たものを、彼は信じることができなかった。

「あっ。よかった。気が付いたんだね……」

安堵した様子で目の前の少年が胸を撫で下ろす。それを見て、ルーチェはこれは悪い夢なのではないかと頰をつねってしまった。痛みをしっかりと感じる。

(これ、夢じゃないってこと……!?)

ルーチェの目の前には、彼の前世である望月光(もちづきひかる)がいたためである。頭の中が混乱でいっぱいになりつつ、ルーチェは周りを見る。前世の頃、自分がいた部屋だった。

「大丈夫?日本語わかる?君、僕の家の前で倒れてたんだけど……」

不安そうに光がルーチェを見る。ルーチェは、何が起きたのかを思い返していた。

(確か僕は、カラミティに行こうとしてたんだ。その途中で鏡が落ちてるのを見つけて、鏡を拾ったら意識を失って……。どうして僕はまたここに来たんだろう?帰れるのかな?)
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