ノースポールの花が咲く前に〜ルーチェと光〜
「ねぇ、光。今って何年?何月何日?」

「えっ?えっと、今はーーー」

光の話した西暦と曜日にルーチェの目が見開かれる。今日は、望月光が異世界転生をする前日だった。

(これって偶然?それとも運命?)

何が起きているのか訳がわからない。しかし、戻る方法が何もわからない今は動けない。

「よかったらここにいて。お父さんたちはいないからさ」

光がニコリと笑いかける。ルーチェはゆっくりと頷きつつ、自身の記憶を思い返した。

(そうだ。今日と明日は、父さんたちは北海道に出張に行ってたっけ……)

前世の両親の顔が頭に浮かび、懐かしさを覚えていく。ぐるりとルーチェは部屋を見回した。お世辞にも「片付いている」とは言えない部屋。前世から自分はこうだったなと懐かしさと共に笑みが浮かぶ。

「ルーチェは変わった服を着てるけど、外国の人なの?」

「あ〜、えっと……」

光の問いに対し、ルーチェがどう説明しようかと考えた時だった。「グルル……」と低い声が響く。ルーチェの目が見開かれた。
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