一か月だけの契約妻のはずが、恋愛経験ゼロの私を社長が溺愛してきます
1 幸せへの入り口
「ご成婚、おめでとうございます!」
スタッフの声を合図に、店内に明るい拍手が響いた。
今日、この場を訪れたのは一組の男女だった。
二人は並んで立ちながら、少し照れくさそうに顔を見合わせている。
男性が照れたように頭を下げると、その隣で女性も嬉しそうに笑った。
何度見ても、成婚が決まった二人の表情には、どこか独特のものがある。
これまでの婚活が決して順調だったわけではない人ほど、その笑顔には安堵と喜びが混ざっている。
今日までの時間を思えば、きっと二人にしかわからない苦労もあったのだろう。
そんなことを思いながら、その笑顔を見ていると、こちらまで幸せな気持ちになる。
結婚相談所に勤めていると、こういう瞬間に立ち会うことができる。
何度経験しても、いいものだ。
「お幸せに!」
スタッフの一人が声をかけると、二人はもう一度深々と頭を下げた。
成婚が決まった会員は、今日で相談所を退会する。
これからは、私たちの手を離れ、自分たちで未来を歩いていくのだ。
そんな二人を見送っていると、入口のドアが開いた。
「こんにちは」
顔を上げると、今日カウンセリングの予約を入れている会員の女性が立っていた。
「こんにちは。小川様お待ちしておりました」
私は笑顔で彼女を迎える。
けれど、女性はすぐには私のところへ来なかった。
視線の先にいるのは、さっきまで祝福されていた成婚カップルだ。
「あの……あの方達は?」
小さな声で尋ねられ、私は振り返った。
「ご成婚されて、今日退会されたんです」
「そうなんですね……」
女性は二人を目で追いながら、ぽつりと呟いた。
「いいな~」
その声には、羨ましさが隠しきれない。
スタッフの声を合図に、店内に明るい拍手が響いた。
今日、この場を訪れたのは一組の男女だった。
二人は並んで立ちながら、少し照れくさそうに顔を見合わせている。
男性が照れたように頭を下げると、その隣で女性も嬉しそうに笑った。
何度見ても、成婚が決まった二人の表情には、どこか独特のものがある。
これまでの婚活が決して順調だったわけではない人ほど、その笑顔には安堵と喜びが混ざっている。
今日までの時間を思えば、きっと二人にしかわからない苦労もあったのだろう。
そんなことを思いながら、その笑顔を見ていると、こちらまで幸せな気持ちになる。
結婚相談所に勤めていると、こういう瞬間に立ち会うことができる。
何度経験しても、いいものだ。
「お幸せに!」
スタッフの一人が声をかけると、二人はもう一度深々と頭を下げた。
成婚が決まった会員は、今日で相談所を退会する。
これからは、私たちの手を離れ、自分たちで未来を歩いていくのだ。
そんな二人を見送っていると、入口のドアが開いた。
「こんにちは」
顔を上げると、今日カウンセリングの予約を入れている会員の女性が立っていた。
「こんにちは。小川様お待ちしておりました」
私は笑顔で彼女を迎える。
けれど、女性はすぐには私のところへ来なかった。
視線の先にいるのは、さっきまで祝福されていた成婚カップルだ。
「あの……あの方達は?」
小さな声で尋ねられ、私は振り返った。
「ご成婚されて、今日退会されたんです」
「そうなんですね……」
女性は二人を目で追いながら、ぽつりと呟いた。
「いいな~」
その声には、羨ましさが隠しきれない。