一か月だけの契約妻のはずが、恋愛経験ゼロの私を社長が溺愛してきます
 過去の恋愛に傷つき、新しい一歩を踏み出せずにいる人。
 そして、私が対応に苦労するのは、相手に求める条件が多すぎる会員だ。
 年収はこれ以上。
 できれば背が高くて、顔も好みで、清潔感があって、服装にも気を遣っている人がいい。
 もちろん、理想を持つことは悪いことではない。
 むしろ、結婚相手を探すのだから、自分なりの希望があるのは当然だと思う。
 私だって、会員様から条件を聞くことを否定したことはない。
 どんな人と結婚したいのかを考えることは、自分がどんな結婚生活を送りたいのかを考えることにもつながるからだ。
 けれど、婚活が長引くにつれて、条件が少しずつ増えていく人もいる。
 最初は「年収と年齢だけは譲れません」と言っていたはずなのに、いつの間にか身長や容姿、職業、住んでいる場所、さらには休日の過ごし方まで条件に加わっている。
 本人に悪気はない。
「せっかく結婚するなら、妥協したくない」
 そう思う気持ちは、よくわかる。
 けれど、条件を増やせば増やすほど、当然ながら紹介できる相手は少なくなっいく。
 せっかく条件に合う人を紹介しても、
「顔が好みじゃない」
「ファッションがちょっと……」
「会話がつまらなかった」
 そんな理由で、なかなか仮交際に進めない。
 それどころか、自分のことは棚に上げて、相手にばかり多くを求めてしまう人もいる。
 そして、うまくいかなければ、
「いい人を紹介してくれない」
「相手の対応が悪かった」
「どうして私ばかりうまくいかないんですか?」
 と、自分以外の誰かに原因を求めてしまう。
 そういう相談を受けるたびに、私は一度立ち止まって考えてもらう必要があると思う。
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