氷の君に、恋の歌を。
第四章
文化祭の翌週。
森下乃愛の名前は、すっかり学校中に広まっていた。
「あの文化祭で歌ってた子でしょ?」
「一宮くんと一緒に出てた子!」
「近くで見たらほんとに可愛い……」
廊下を歩くだけで視線が集まる。
前なら怖くてたまらなかったはずなのに、今は少しだけ平気だった。
あの日、ちゃんと歌えたことが乃愛の中で大きな自信になっていたから。
けれど、ひとつだけ困ることがある。
「森下さん、今日のお昼、一緒にどう?」
「え?」
同じ学年の男子に声をかけられて、乃愛は目を丸くした。
しかもそれは一人だけじゃない。
文化祭以来、話しかけてくる男子が明らかに増えたのだ。
「歌すごかったよ」
「今度また聞かせてよ」
悪い人たちではない。
むしろ好意的で、乃愛も無下にはできない。
けれど、そのたびに遠くから突き刺さるような視線を感じる。
見なくてもわかる。
蓮斗だ。
森下乃愛の名前は、すっかり学校中に広まっていた。
「あの文化祭で歌ってた子でしょ?」
「一宮くんと一緒に出てた子!」
「近くで見たらほんとに可愛い……」
廊下を歩くだけで視線が集まる。
前なら怖くてたまらなかったはずなのに、今は少しだけ平気だった。
あの日、ちゃんと歌えたことが乃愛の中で大きな自信になっていたから。
けれど、ひとつだけ困ることがある。
「森下さん、今日のお昼、一緒にどう?」
「え?」
同じ学年の男子に声をかけられて、乃愛は目を丸くした。
しかもそれは一人だけじゃない。
文化祭以来、話しかけてくる男子が明らかに増えたのだ。
「歌すごかったよ」
「今度また聞かせてよ」
悪い人たちではない。
むしろ好意的で、乃愛も無下にはできない。
けれど、そのたびに遠くから突き刺さるような視線を感じる。
見なくてもわかる。
蓮斗だ。