氷の君に、恋の歌を。
第十一章
中庭での歌のあとから、乃愛はますます学校で注目されるようになった。
それでも蓮斗は変わらず隣にいて、少し嫉妬しながらも、ちゃんと乃愛を支えてくれていた。
けれど、その週の終わり。
乃愛は隣の席の蓮斗を見て、小さく眉を寄せた。
「蓮斗くん、大丈夫?」
「……何が」
いつもの低い声。
でも少しかすれている。
「なんか、顔色悪い」
そう言われた蓮斗は、ほんの少しだけ視線をそらした。
「平気」
短い返事。
けれど乃愛にはわかった。
平気なふりをしているだけだと。
今日は朝から様子がおかしかった。
授業中もぼんやりしている時間があったし、咳も何度かしていた。
それなのに、本人は全然認めようとしない。
「絶対、平気じゃないよ」
乃愛が小さく言うと、蓮斗は困ったみたいに息をついた。
「……少し寝れば治る」
「それ、治らない人の言い方だよ」
思わず返すと、蓮斗はわずかに口元をゆるめた。
でもその笑い方も、いつもより力がない。
それでも蓮斗は変わらず隣にいて、少し嫉妬しながらも、ちゃんと乃愛を支えてくれていた。
けれど、その週の終わり。
乃愛は隣の席の蓮斗を見て、小さく眉を寄せた。
「蓮斗くん、大丈夫?」
「……何が」
いつもの低い声。
でも少しかすれている。
「なんか、顔色悪い」
そう言われた蓮斗は、ほんの少しだけ視線をそらした。
「平気」
短い返事。
けれど乃愛にはわかった。
平気なふりをしているだけだと。
今日は朝から様子がおかしかった。
授業中もぼんやりしている時間があったし、咳も何度かしていた。
それなのに、本人は全然認めようとしない。
「絶対、平気じゃないよ」
乃愛が小さく言うと、蓮斗は困ったみたいに息をついた。
「……少し寝れば治る」
「それ、治らない人の言い方だよ」
思わず返すと、蓮斗はわずかに口元をゆるめた。
でもその笑い方も、いつもより力がない。