高校時代の同級生にしっかりと溺愛されていました

初旅行

ほんの3ヶ月前の私の人生にはない出来事が起きている。
電車や地下鉄で行ける範囲で、本屋さんめぐりとかして、地味な週末を過ごしていたけれど、
潤くんのおかげで、私の世界は一気に広がった。

今週末は、潤くんの車に乗り、箱根の宮ノ下温泉に向かう。
今回もまた潤くんにお任せだ。
梅雨時だから、天気を心配していたけれど、週末は快晴の予報だった。
2人とも日頃の行いが良いからだな、と朝起きてから、窓を開け、太陽を見ながらうなづいた。

東京から、途中休憩をはさみながら、ゆっくりとドライブを楽しみ、
午後には、「箱根吟遊(はこねぎんゆう)」 という隠れ家的な旅館に連れて行ってくれた。

美しく、笑顔の愛らしい女将さんに恭しく4階に案内される。
部屋からは壮大な箱根の山々が連なり、緑が美しい。

東京から数時間で全く違う世界に着いた。
魔法みたいだ。

声にならないまま、窓を開けて立ち尽くす。
横に立つ、潤くんも同じ気持ちなのだろう。

視線を前に向けたままで会話を重ねる。
「実はおれもここははじめてなんだ。
会社の人が薦めてくれたんだけど、良いところだね。
ご飯も美味しいって。」
「うん、期待しちゃう。潤くん、ありがとう。」
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