好きなんですっ、先生!
「…なんだ、またなんか考え事か?」
少し俯いた私に、先生は顔を覗き込んだ。
すごいね先生。
私のこと、なんでもお見通しなんだね。
「な、なんでもないよ。…あ、そうだ!」
私は思い出したかのように、自分のカバンを漁り始めた。
最近暑いから、持っていた塩分チャージのタブレット。
よかった、カバンに入れといて。
「はいこれ、先生にあげる!熱中症には気を付けてね~!」
先生と少しでも長く話していたくて。
「おお、ありがとな~。お前らもちゃんと水分取れよ。」
そう言って先生は、次の試合があるからって行ってしまって。
…頭よしよしってしてくれるのかなって
ちょっとだけ待ってたんだよ…。
もう私、だめみたい。
どんなに期待しないようにしていても、心のどこかではもっともっと近づきたいって思ってしまうの。
「…椎名さ、私のことなんて1回も見てなかったよ。」
「え…?そうなの?」
美咲はそう言ってるけど。
それは多分、たまたま私の隣に座ってたからじゃないかな。
「そろそろ殴ってやろうかと思ったけど、我慢しといた♪」
ひ、ひぇぇええ~!!
それだけはやめてね、美咲ちゃん…!