WINNER

「陽妃ちゃん、ごめんね。僕が気ぃ利かせられなくて」


陸ちゃんは私たち三人の前で深々と腰を折り、私の方が慌てた。


「ううん!陸ちゃんのせいじゃないよ。また今度ゆっくり呑もう?(もうあのメンバーでは会えないケド)」


「うん、そう言えってもらえて嬉しいよ」


陸ちゃんはほんの少し照れ笑いを浮かべながら、ちょっと後ろの方を気にした。


「お連れさんたちと呑みなおすんでしょ?大丈夫、行って?こっちもこっちで呑みなおすから」


ホントは呑みなおす予定なんてない。けれどそうでも言わなきゃ律儀な陸ちゃんのことだから私たちのことずっと気にするだろうし。


「ホントにごめんね」陸ちゃんは顔の前で手を合わせ、くるりと踵を返した。


「どうする?この後呑みなおす?」と提案してくれたのは敦美からで、ありがたかった。贖罪の意味で奢らせてもらいたかったし、九条のことを言い訳もしたかった。


適当に見つけた居酒屋さん、さっきの洒落た雰囲気とは違って大衆的などこにでもあるような居酒屋に女三人が落ち着くと


「いい人だよねー、秋月(あきづき)(陸ちゃんの苗字)さん」とビールを飲みながら敦美が切り出した。


「ホントにぃ。ちょっと物足らないかもしれなけど、結構かっこいいし、結婚するならああゆうのがいいかなぁ。浮気とか絶対しなさそうだしぃ」と宝田ちゃんはレモンチューハイを呑み頷く。


「結婚……かぁ……やっぱそうだよね、結婚するなら陸ちゃんみたいな人がいいよね」


「なぁにー陽妃ぃ、好きなの?」とニヤリと敦美が笑って


「男女の好きとかじゃないけど、こないだプロポーズされてさ」



「「プロポーズ!!?」」



敦美と宝田ちゃんの声が揃って、


は!しまったぁ!私としたことが、やってしまったーーー!!


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