WINNER

九条!?


何で!?こんな所に?


慌ててスマホを確認するも、今は九条と使っていたゲームアプリは起動していない。


てことは偶然?


でも、ここホテルだよ。ロビーの上の階は客室だよ。


私のことが心配だとか言ってたくせに、ちゃっかり違う女ともデートかよ!いいご身分だな!(しかも美人!)


「ちょっ!陸ちゃん、出よう!」


私は慌てて伝票をひったくり、陸ちゃんの腕を引いて「え…!え…?」と訳も分からない陸ちゃんが慌てて後をついてくる。


ホテルって言うのは何でこうなのかな。ゆったりしたムードは雰囲気作りにいいけど、ウェイターのお会計も優雅なもので急いでいる私は万札だけをカウンターに突き付け、九条が今まさに明らかに年上だと思われる美人とエレベーターに入っていく姿を凝視。


ああ、入っていっちゃう。


「陸ちゃん、おつりもらっておいて!」それだけ言うと私はエレベーターの方に走り寄った。勿論、九条と見知らぬ美人には気づかれない程度に。彼らを乗せたエレベーターの昇っていく電工表示を睨んでいると最上階の45階で止まった。昇降パネルの横にフロアガイドの掲示があり、45階はスカイラウンジになっているみたいだ。


バー?


それも45階だからさぞかし眺めがいいだろう。私を放っておいて自分は美人ときれいな夜景を見ながら『君の瞳にカンパイ』てか?


九条の言葉を一瞬でも信じた私がバカだった。





―――『九条くんにね、陽妃が好きって言われたんだよね』


―――『お前の彼氏面』


―――『お前の全てが欲しい』



あれは、全部嘘だったんだ。


やっぱりね。


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