待ってください長谷川くん!
13話
ニコニコと笑顔のまま伝える誠の言葉に、課長は書類を改めて見直す。
「な、なん…過去資料を見ていなかったとなるのか…!?資料の作成は誰が…!」
「あぁ……名前に“早川”とありましたが…数年前の資料でしたので、前任の方がいらしたのですか?」
香織を含めてオフィスの全員が、早川亜紀へと視線が注がれると、誠の口元にある黒子が艶やかな笑みをこぼした。
書類を持って早川の席に向かった課長は、怒った表情で早川へ問い詰める。
「早川くん、これはどういうことですか?資料作成時は君が引き受けると、私に直接言っただろう」
「わ、私…ちが…本木先輩が…っ」
「この資料作成のときは、本木くんは別チームで動いていたから、関係ありません」
「指導係だったのに、確認してくれませんでした…!」
震える声で課長に返す早川の顔は、青ざめていた。
少し表情を曇らせながら、香織が口を開く。
「…私はチームで別部署にいたので、そもそも早川さんの資料作りは見ていませんよ」
「な…!!」
「は~…そもそも、指導は関係なく、私に直接持ってきてほしいと指示を出さなかったのも悪いな…早川くん、今から会議室までいいかな。それと、皆も昼休憩に入ってください」
「…~~っ…はい…」
ため息をつく課長に続いて、涙目になる早川がオフィスをあとにした。
課長の指示によって、パラパラと昼休憩に入っていく同僚たち。
オフィスのドアが閉まるのを見届けた香織は、前を向いたままの誠に視線を向ける。
「あの…長谷川くん…ありがとう…」
「本木先輩のご指導で資料をしっかりと読ませていただいたので、助かりました!本当にありがとうございます。よかったら、僕とランチしませんか?」
「あ、それはごめんなさい。先約があるので、また今度にしましょう」
「……はい?」
頭を下げる香織の言葉に、笑顔が貼りついたままとなった誠。
「本木さーん!」
「色々と聞きたいこともあるので、あとでまた話しましょう。井本くん、今行きまーす!」
「…は…?」
自分のデスクに戻って鞄を持つと、香織はそのまま井本とオフィスのドアを開けて出ていった。
香織の代わりに、数人の同僚からランチに誘われる誠だったが、にっこりと笑っていただけだった。
「な、なん…過去資料を見ていなかったとなるのか…!?資料の作成は誰が…!」
「あぁ……名前に“早川”とありましたが…数年前の資料でしたので、前任の方がいらしたのですか?」
香織を含めてオフィスの全員が、早川亜紀へと視線が注がれると、誠の口元にある黒子が艶やかな笑みをこぼした。
書類を持って早川の席に向かった課長は、怒った表情で早川へ問い詰める。
「早川くん、これはどういうことですか?資料作成時は君が引き受けると、私に直接言っただろう」
「わ、私…ちが…本木先輩が…っ」
「この資料作成のときは、本木くんは別チームで動いていたから、関係ありません」
「指導係だったのに、確認してくれませんでした…!」
震える声で課長に返す早川の顔は、青ざめていた。
少し表情を曇らせながら、香織が口を開く。
「…私はチームで別部署にいたので、そもそも早川さんの資料作りは見ていませんよ」
「な…!!」
「は~…そもそも、指導は関係なく、私に直接持ってきてほしいと指示を出さなかったのも悪いな…早川くん、今から会議室までいいかな。それと、皆も昼休憩に入ってください」
「…~~っ…はい…」
ため息をつく課長に続いて、涙目になる早川がオフィスをあとにした。
課長の指示によって、パラパラと昼休憩に入っていく同僚たち。
オフィスのドアが閉まるのを見届けた香織は、前を向いたままの誠に視線を向ける。
「あの…長谷川くん…ありがとう…」
「本木先輩のご指導で資料をしっかりと読ませていただいたので、助かりました!本当にありがとうございます。よかったら、僕とランチしませんか?」
「あ、それはごめんなさい。先約があるので、また今度にしましょう」
「……はい?」
頭を下げる香織の言葉に、笑顔が貼りついたままとなった誠。
「本木さーん!」
「色々と聞きたいこともあるので、あとでまた話しましょう。井本くん、今行きまーす!」
「…は…?」
自分のデスクに戻って鞄を持つと、香織はそのまま井本とオフィスのドアを開けて出ていった。
香織の代わりに、数人の同僚からランチに誘われる誠だったが、にっこりと笑っていただけだった。