恋のメンテナンスは必要ですか?

 *
 
 
「んっ……」
「……っ……」

 タワーマンションの最上階。
 夜景が一望できる眺望を背景に、二人は広いソファーで倒れながら口付けを重ねる。
 
 段々と深くなる重なりに湿った音がリビングに響いていた。
 
「翔さ……んっ……」
 ゆっくりと服の中へと入ってくる温かさに全身がビクッと震える。肌を優しく撫でるように、その温かさは彩の体を優しく触れていった。

 口付けを重ねながら、翔の温もりは下へと下がっていく。
 
「っ……ま、待って!」
 
 自分の中へと触れようとする指に彩は焦って翔を止める。
 止められた彼は衝動を鎮め、湧き上がる欲望を抑えた。

「……嫌だった?」
「ちが……くて、カーテンしてないから……」


 翔は目を丸くしてガラスの壁を見つめ、彩の予想外の指摘に笑う。
 
「あはは!もう……本当に君は……誠実で、魅力的で、愛おしいな。」
 
 翔はふーっと息を吐くと彩の背中に手をそわせ、彼女を起き上げた。
 出会った頃のようにお姫様抱っこで彩を抱きしめる。
 ゆっくりと歩き出し、向かったのは翔の寝室だった。
 
 
「んっ……」

 初めて入った翔の寝室。
 大きなベッドに降ろされると同時に執着なキスが彩の唇を奪う。

 途切れ途切れの息、二人は火照りを鎮めるように絡み合った。
 翔は妖艶に、自身の魅力をわからせるように。

「あっ……」
 
 散乱する衣類、間接照明が柔らかく照らす寝室に響き渡る湿った音。
 ベッドの上で翔と彩は抱きしめ合う。
 
 
「翔さん……」
 
「……彩。愛してる」
 
 
 彼の熱を帯びた眼差しと自分を欲する綺麗な唇に胸を高鳴らせて。
 
 夜は更けていった。
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