稀代の魔力を持つ転生令嬢、私は一人前であると声を大にして言いたい ~王家に拾われ国を救ったのは、ちびっこと見下されてきた私です~
二十話
体が渦に飲み込まれていくような、息苦しい感覚の中、私は自分をぎゅっと抱きしめてくれる存在にしがみつき、一人ではないことに安堵していた。
そして、気分の悪さは消えた物の、怖さから目を開けないでいると、優しく自分を呼ぶ声が聞こえた。
「コレット? 大丈夫?」
「え?」
目を開け見上げると、そこには自分を抱きかかえるローガン様の姿があった。
抱きしめられているという現実に、私は目を点にする。
「え? え? あわわわあ!」
「コレット、大丈夫だよ。お暴れないで」
突然のことに手足をバタバタすると、さらにぎゅっと抱きしめられ、私は動きを止めた。
そして、ローガン様が私を力強く抱きしめている理由を知る。
二人は、断崖絶壁の崖にいた。
私は顔を青ざめさせるとコクコクと人形のように首を縦に振った。
ローガン様はそれにほっとしたような表情を浮かべると、私を抱きしめる力を少し緩めて言った。
「コレット。せっかく王宮に遊びに来てくれたのに、こんなことになってごめんね」
「え?」
「連絡は受け取ったんだけれど、ちょっとタイミングが悪くてね」
「あ、いえ。私ちょっと王宮を探検してみようとか、軽い気持ちで。その……すみません」
その言葉に、ローガン様は私の唇を指でちょんと押すと言った。
「口調。それに、母上も私もコレットにはいつでも来ていいと言っていたんだから、それはいいんだよ。ただ……タイミングが。実は第一王子の毒の一件で、ドラゴニアから使者として第十三王子が子竜を連れてきたんだよ。それがいなくなって大騒ぎでさ、魔法使いを総動員して探している時に、コレットが来たっていうわけ。そして、子竜の発動した魔法陣によって、今ここに飛ばされてきたっていうわけだ。大変大変」
少しおどけた口調でローガンが話すものだから、私はくすりと笑った。
それにローガン様は微笑むと、私の頭を優しく撫でた。
「本当に、君が一人で飛ばされなくて良かった。」
「ローガン様、迷惑かけてごめんなさい」
「いやいや、悪いのは王子と子竜だから、コレットは悪くないよ。さぁ、じゃあ頑張って、まずはここがどこなのか調べなくちゃね。コレット歩けるかい?」
「ええ。歩けるわ」
散策用にと歩きやすい靴を選んでいてよかったと私は内心ほっとしながら、ローガン様と共に立ち上がった。
人一人が歩ける程度の断崖絶壁の岩壁であり、私達はゆっくりと歩いていく。
そしてどうにか平地へと移動することが出来た。
岩ばかりだった場所を抜けたのか、平地ではあるが木々が生い茂っており、深い森が今度は目の前に現れた。
「崖に、今度は森か……下手をしたらここはヴェールガ王国じゃないな」
ローガン様の言葉に、コレットは不安になり、ローガンの服の裾をぎゅっと握った。
その可愛らしい仕草にローガンは温かな視線をコレットに向けると、コレットの手をそっと握った。
「はぐれるといけないから、手を繋いでいこうか?」
その言葉にコレットは素直に頷いた。
手を繋いでいるだけで、不安が少し和らぐ。
森の中に入ると、木々の匂いが広がった。
豊かな森なのだろう。土に積もった枯葉は腐葉土となり、地面をダンゴ虫が歩いている。
私は木々の合間から見える空を見上げた。
「私……こうやって森の中を歩くの初めてです」
「え?」
「屋敷から出ることもめったになかったので。だから、不謹慎だけれどローガン様とこうして森の中を一緒に歩けて、幸せです」
「……コレットには、初めてのことがいっぱいだね」
「え?」
照れ隠しのようにローガン様は口調が早くなる。
「だから、私も、コレットが初めて体験することを一つ一つ大切にしたいと思う。それなのに、初めての森散策がこんなに突然何て……あ、でも、こうしてゆっくりできる時間はあまりないから、案外ドラゴニアの子竜には感謝なのかもね」
その言葉に、私はきょとんとしたが、確かにそうかもしれないとうなずいた。ローガン様は常に忙しいのでこうしてゆっくりできる時間は貴重だ。
「なら、楽しんだ方が勝ちね」
「そうだね」
私達はくすくすと笑いあうと森の中を手を繋いで歩いていく。
人の気配などない森だったが、進んで行けばそれは変わっていく。
森の中に、道らしきものが現れ、ローガン様とそれに沿って歩いていく。
そして、その先に見つけた小さな村を、森の影から見つめて目を丸くする。
小さな村の周りを囲むように至る所に魔法陣が描かれており、出入り口と言う所には数人の騎士が立っている。
「これは……」
ローガン様は眉を顰め、私も眉間にしわを寄せる。
「村を魔法で封じているみたい……」
地面に描かれた巨大な魔法陣。
あれは……。
「「封じの魔法陣」」
私達の声が重なった。
そして、気分の悪さは消えた物の、怖さから目を開けないでいると、優しく自分を呼ぶ声が聞こえた。
「コレット? 大丈夫?」
「え?」
目を開け見上げると、そこには自分を抱きかかえるローガン様の姿があった。
抱きしめられているという現実に、私は目を点にする。
「え? え? あわわわあ!」
「コレット、大丈夫だよ。お暴れないで」
突然のことに手足をバタバタすると、さらにぎゅっと抱きしめられ、私は動きを止めた。
そして、ローガン様が私を力強く抱きしめている理由を知る。
二人は、断崖絶壁の崖にいた。
私は顔を青ざめさせるとコクコクと人形のように首を縦に振った。
ローガン様はそれにほっとしたような表情を浮かべると、私を抱きしめる力を少し緩めて言った。
「コレット。せっかく王宮に遊びに来てくれたのに、こんなことになってごめんね」
「え?」
「連絡は受け取ったんだけれど、ちょっとタイミングが悪くてね」
「あ、いえ。私ちょっと王宮を探検してみようとか、軽い気持ちで。その……すみません」
その言葉に、ローガン様は私の唇を指でちょんと押すと言った。
「口調。それに、母上も私もコレットにはいつでも来ていいと言っていたんだから、それはいいんだよ。ただ……タイミングが。実は第一王子の毒の一件で、ドラゴニアから使者として第十三王子が子竜を連れてきたんだよ。それがいなくなって大騒ぎでさ、魔法使いを総動員して探している時に、コレットが来たっていうわけ。そして、子竜の発動した魔法陣によって、今ここに飛ばされてきたっていうわけだ。大変大変」
少しおどけた口調でローガンが話すものだから、私はくすりと笑った。
それにローガン様は微笑むと、私の頭を優しく撫でた。
「本当に、君が一人で飛ばされなくて良かった。」
「ローガン様、迷惑かけてごめんなさい」
「いやいや、悪いのは王子と子竜だから、コレットは悪くないよ。さぁ、じゃあ頑張って、まずはここがどこなのか調べなくちゃね。コレット歩けるかい?」
「ええ。歩けるわ」
散策用にと歩きやすい靴を選んでいてよかったと私は内心ほっとしながら、ローガン様と共に立ち上がった。
人一人が歩ける程度の断崖絶壁の岩壁であり、私達はゆっくりと歩いていく。
そしてどうにか平地へと移動することが出来た。
岩ばかりだった場所を抜けたのか、平地ではあるが木々が生い茂っており、深い森が今度は目の前に現れた。
「崖に、今度は森か……下手をしたらここはヴェールガ王国じゃないな」
ローガン様の言葉に、コレットは不安になり、ローガンの服の裾をぎゅっと握った。
その可愛らしい仕草にローガンは温かな視線をコレットに向けると、コレットの手をそっと握った。
「はぐれるといけないから、手を繋いでいこうか?」
その言葉にコレットは素直に頷いた。
手を繋いでいるだけで、不安が少し和らぐ。
森の中に入ると、木々の匂いが広がった。
豊かな森なのだろう。土に積もった枯葉は腐葉土となり、地面をダンゴ虫が歩いている。
私は木々の合間から見える空を見上げた。
「私……こうやって森の中を歩くの初めてです」
「え?」
「屋敷から出ることもめったになかったので。だから、不謹慎だけれどローガン様とこうして森の中を一緒に歩けて、幸せです」
「……コレットには、初めてのことがいっぱいだね」
「え?」
照れ隠しのようにローガン様は口調が早くなる。
「だから、私も、コレットが初めて体験することを一つ一つ大切にしたいと思う。それなのに、初めての森散策がこんなに突然何て……あ、でも、こうしてゆっくりできる時間はあまりないから、案外ドラゴニアの子竜には感謝なのかもね」
その言葉に、私はきょとんとしたが、確かにそうかもしれないとうなずいた。ローガン様は常に忙しいのでこうしてゆっくりできる時間は貴重だ。
「なら、楽しんだ方が勝ちね」
「そうだね」
私達はくすくすと笑いあうと森の中を手を繋いで歩いていく。
人の気配などない森だったが、進んで行けばそれは変わっていく。
森の中に、道らしきものが現れ、ローガン様とそれに沿って歩いていく。
そして、その先に見つけた小さな村を、森の影から見つめて目を丸くする。
小さな村の周りを囲むように至る所に魔法陣が描かれており、出入り口と言う所には数人の騎士が立っている。
「これは……」
ローガン様は眉を顰め、私も眉間にしわを寄せる。
「村を魔法で封じているみたい……」
地面に描かれた巨大な魔法陣。
あれは……。
「「封じの魔法陣」」
私達の声が重なった。