千代子花火の12週間の恋

 「私も、これといった決まったタイプはないんだよね……」


 ちょっと……なんで色っぽい声出してるの、私……


 これ、私じゃない……絶対に悪い霊にでも取り憑かれてる……


 「………私たち、似てるね……」


 なのに、なんで顔が赤くなるんだろう……


 「あの……それでね……私、彼氏いないから……せめて、私のことを大事にしてくれて……優しくて……ちょっとお茶目で……私より少し背が高い人がいいなって思ってて」


 「…………」


 「それに……近くにいる人がいいな……あっ……見つけた!」


 私は彼を指さした……(よし)くんを指さした……


 「あなただよ……」


 「あ……えっと……」


 「その……つまり……私、あなたのことを好きになっちゃったみたい……」


 それを聞いた(よし)くんは、顔を赤くしながらすぐに横を向いた……


 溢れすぎていた気持ちが、ついに解き放たれた……私は……彼に、好きだと伝えた……


 私……彼のことが好き……


 ずっと前から……


 「あの……返事はいつでも待ってるから……あなたのタイミングで言ってくれていいから――――」


 言い終わる前に……(よし)くんが私の方へ立ち上がった……


 私たち二人の唇が、そっと重なった……


 ああ……これが……キスなんだ……


 「これで返事になった? 花火(はなび)……」


 彼はゆっくりと顔を少し離して……そっと囁いた……


 「うん……好きだよ……光輝(こうき)……」


 「僕も好きだよ……花火(はなび)……」


 彼はもう一度私の名前を呼んで……それから私たちは……もう一度キスをした……
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