幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い


自分で口にしてみると、急に恥ずかしくなった。

顔が熱い。

今まで普通に話していたことが、急に特別なことに思えてくる。

朝の挨拶も。

一緒に歩くことも。

名前を呼ばれることも。

全部、好きな人とすることだったんだ。

そう考えたら、今まで何とも思わなかったことまで気になってしまう。

放課後。

いつものように蓮が迎えに来た。


「結菜、帰ろ」

「……うん」


いつもと同じ声。

いつもと同じ表情。

なのに。

好きだと分かってしまった今は、全然違って見える。

一緒に歩き始める。

肩が少し近づくだけで、緊張する。


「今日、静かじゃない?」

「え?」

「なんか考えてる?」

「ううん」


本当は、蓮のことを考えている。

すぐ隣にいる蓮のことばかり。


「そっか」


それ以上聞かずに、蓮は歩いていく。

その優しさに、また胸が熱くなる。

今までだったら、何も考えずに隣を歩いていた。

でも今日は違う。

好きな人が隣にいる。

その事実だけで、どうしていいか分からなくなった。
< 74 / 177 >

この作品をシェア

pagetop