浅葱と萌葱の検死報告〜ラスト・ドレスを纏ったシンデレラ〜
過去を持たない女優
森で発見された遺体の下半身は、上半身があった場所から百メートルほど離れた場所にあった。上半身・下半身共に研究所に送られ、夕鈴が見守る中、白夜立ちの手によって検死が進められていく。

届いた下半身を確認した際、白夜はあることに気付く。そして、その口角がゆっくりと上がった。

(この遺体、面白いな……)

白夜は遺体の上半身の元へと向かう。遺体の上半身をバッカスとマシューが確認しているところだった。

「マシュー。この遺体について、わかることはありますか?」

「上半身の千切れた部分の組織に出血はありません。なので、この遺体が千切れたのは幸運にも死後です。そして、頭部に浅い陥没痕がありました」

「ウジ虫や蝿の成長具合から推測するに、死後一ヶ月近くは経ってるな。陥没痕は微粒子が付着してる可能性があるから、調べるぜ」

バッカスがウインクする。白夜は「お願いします」と頭を下げた後、マシューの方を再び見た。マシューが続ける。

「恐らく被害者は、鈍器のようなもので頭を殴られたようです。しかし、致命傷ではありません」
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