浅葱と萌葱の検死報告〜ラスト・ドレスを纏ったシンデレラ〜
白夜の職場であるサザンクロス研究所は、バスで三十分ほどの距離にある。白夜がバスに乗り込むと、「ハーイ!」と声をかけられた。白夜の顔に笑みが浮かぶ。

「アリエル!今日はバスなんですね!」

「そうなの。車が故障しちゃってね」

赤いロングヘアーの女性が困ったように笑う。彼女はアリエル・ホワイト。白夜と同じ職場の同僚であり、顔の復元や3Dを用いた現場再現などを行うのが仕事だ。白夜とアリエルは並んで座る。

「今日の服も可愛いわね」

「ありがとうございます。買ってよかったです」

「白夜の格好は目立つから、犯罪の多いアメリカでも事件に巻き込まれることはなさそう」

アリエルの言葉に白夜はフッと笑う。つい先日、全く同じ台詞を相棒に言われたばかりだ。

「同じことをバディにも言われました」

「やっぱり、彼女も同じこと考えてたのね。仲良くなれそう」

アリエルが微笑む。その様は、まるで月の女神が地上に舞い降りたかのようにどこか妖艶だった。バスの乗客の視線が彼女に注がれる。
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