浅葱と萌葱の検死報告〜ラスト・ドレスを纏ったシンデレラ〜
「頭蓋骨の陥没痕に花粉が付着していた。ジュビリー・セレブレーションのものだ」

「ジュビリー?何の花なんですか?」

夕鈴が訊ねる。バッカスは「薔薇だよ」と返した。白夜は遺体のあった森を思い返す。遺体の周辺に薔薇の花などなかった。

「あの森に咲いているはずのない花だ」

「つまり、被害者は薔薇の花がある場所で殺害されたというわけですね」

夕鈴の言葉にバッカスが頷く。アリエルがタブレットを手にソワソワし始めた。白夜は訊ねる。

「アリエル。何がわかったんですか?」

「陥没痕のできる速度と角度を計算したの」

アリエルがタブレットを操作する。端末場に頭蓋骨の画像が浮かび上がった。アリエルが操作を続けると、凶器が頭蓋骨に叩き付けられる。

「約六十度。密着してかなり近い間合いよ」

「かなり急な角度で斜め下から振り上げたということですね。身長はライラさんより少し低く、凶器は細長くて硬いものですか」

アリエルは満足そうに笑った後、タブレットをまた操作し始める。今度はライラの顔が浮かび上がった。
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