calendar〜学校で大人気の週間男子達から溺愛されてます!?〜
「……サンキュ」

煌君がひとつ手に取る。

一口かじると、ぱぁっと表情が和らいだ。

「……ん、美味い。外はサクッとしてて中はふわふわだ」

「本当だ〜! 甘さも優しくて、すごく癒やされる味〜」

水君も嬉しそうに目を細め、陸君は「火加減が絶妙だね、すごく上手」と褒めてくれた。

陽君も「おいし〜、これ部室に持っていきたいくらい」とニコニコ食べている。

「うっめぇ! 暦ちゃん天才じゃん! 俺、一瞬で食い終わっちゃった!」

大樹君が大はしゃぎで大絶賛してくれて、胸の奥がじんわりと温かくなる。

その時、静かに玄関が開いて、帰宅部の玉兎君が戻ってきた。

「……ただいま」

「あ、月城君おかえりなさい! これ、今日クッキング部で作ったマフィンなんだけど……よかったら食べる?」

個包装したマフィンを差し出す。

他の皆が「お前も食えよ、マジで美味いから」「暦ちゃんの手作りだぞ」と口々に言うのを聞きながら、玉兎君は視線を落とす。

「……じゃあもらう、ありがと」

ぽつりと呟いてマフィンを受け取ると、玉兎君はそのまま「部屋で食べる」と言って階段を上っていった。
< 36 / 45 >

この作品をシェア

pagetop