ここは絵の世界
出会い

いらない能力

中学2年生の結葉には絵に触れるとその絵の世界に移動できるという能力があった。
詳しくすると、絵と手が5秒間触れ合うと一瞬にして吸い込まれ、2分間その世界にいることになる。
その絵が青空とどこまでも広がる海を描いたものだとする。その世界に入ると浜辺が現れ、海の反対には街の時もあれば1面山だったりする。珍しいものだと360度海でその真ん中の小さな浜辺に飛ばされたりする。
じゃあ他に人の絵、肖像画だったらどうなるか。その場合は自分が絵の人物の10分の1くらいのサイズになることが多い。でも大抵の人とは仲良くなれたりする。
でも彼女はこの能力を使わない。理由は単に彼女が絵に興味がないからだ。昔から絵を描くことがとても苦手だったのが原因である。そしてもうひとつ。能力を周りに知られて馬鹿にされたり、仲間はずれにされたり、嫉妬されたり、まぁ色々めんどうごとが多かったからだ。
小学生の頃、片方の手で友達と手を繋いで片方の手で絵に触れたら友達と一緒に絵の世界に入ることができると知り、彼女はたくさんの友達と絵の世界を楽しんだ。2人の時もあれば5人くらいで行くこともあった。それが広まりあんな言葉をかけられることになったのだ。
もう二度と使わないと、彼女は誓っていた。彼を知るまでは。
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