最強男子の過保護な溺愛が止まりません!
第十六話 旧温室、閉ざされた薔薇の奥
夕暮れの旧校舎裏は、人の気配がほとんどなかった。
その先にある旧温室は、蔦に半分飲みこまれたみたいに静かに建っている。
割れたガラス。
錆びた鉄骨。
近づくだけで、長く捨てられていた場所だとわかる。
「……ここ」
思っていた以上に不気味で、私は思わず足を止めた。
「胡桃」
すぐ隣から氷河ノ先輩の声が落ちる。
「無理なら下がれ」
「……ううん」
私は小さく首を振った。
「行きます」
そう答えると、先輩はほんの少しだけ目を細める。
それから、私の手首の発信機をもう一度確認した。
「絶対離れるな」
「はい」
朔が先に周囲を確認し、蓮くんが裏手へ回る。
いおりくんは入口脇に立って、静かに耳を澄ませていた。
「今のところ中に大きな物音はありません」
「でも気配はある」
朔が低く言う。
「一人か二人」
空気がぴんと張る。
「行くぞ」
氷河ノ先輩が古い扉に手をかける。
きい、と鈍い音を立てて、旧温室の扉がゆっくり開いた。
中は薄暗かった。
割れた天井から夕方の光がまだらに落ちて、床には枯れた葉が散らばっている。
使われなくなった棚。
倒れた鉢。
そして奥には、昔は花壇だったらしい高い壇が見えた。
その先にある旧温室は、蔦に半分飲みこまれたみたいに静かに建っている。
割れたガラス。
錆びた鉄骨。
近づくだけで、長く捨てられていた場所だとわかる。
「……ここ」
思っていた以上に不気味で、私は思わず足を止めた。
「胡桃」
すぐ隣から氷河ノ先輩の声が落ちる。
「無理なら下がれ」
「……ううん」
私は小さく首を振った。
「行きます」
そう答えると、先輩はほんの少しだけ目を細める。
それから、私の手首の発信機をもう一度確認した。
「絶対離れるな」
「はい」
朔が先に周囲を確認し、蓮くんが裏手へ回る。
いおりくんは入口脇に立って、静かに耳を澄ませていた。
「今のところ中に大きな物音はありません」
「でも気配はある」
朔が低く言う。
「一人か二人」
空気がぴんと張る。
「行くぞ」
氷河ノ先輩が古い扉に手をかける。
きい、と鈍い音を立てて、旧温室の扉がゆっくり開いた。
中は薄暗かった。
割れた天井から夕方の光がまだらに落ちて、床には枯れた葉が散らばっている。
使われなくなった棚。
倒れた鉢。
そして奥には、昔は花壇だったらしい高い壇が見えた。