最強男子の過保護な溺愛が止まりません!
第十八話 時計塔、薔薇の終わりに
夜の学園は、昼とはまるで別の顔をしていた。
人気のない廊下。
消えた教室の明かり。
遠くで鳴る風の音。
その中で、時計塔だけが静かに空へ伸びている。
古く、高く、近づくだけで胸がざわつく場所だった。
「いよいよやな」
蓮くんが低くつぶやく。
「はい」
私はうなずいた。
手の中には、母の手紙がある。
折りたたんで胸ポケットにしまっていても、その存在はずっとあたたかかった。
「胡桃」
隣で、氷河ノ先輩が足を止める。
「最後にもう一回言う」
「……はい」
「絶対に離れるな」
低くて、まっすぐな声。
私は先輩を見上げて、小さく笑った。
「わかってます」
「返事が軽い」
「軽くないです」
「なら手」
「え?」
「つなぐ」
「えっ」
「嫌か」
その聞き方はずるい。
でも今さら断れるわけがない。
「……嫌じゃ、ないです」
そう答えると、先輩は何も言わずに私の手を握った。
大きくて、熱い手。
そのぬくもりがあるだけで、不思議なくらい足がすくまない。
「この状況で自然にいちゃつけるのすごいな」
いおりくんがぼそっと言う。
「黙っとけ」
氷河ノ先輩が即答する。
「でもちょっと安心しました」
いおりくんは小さく笑う。
「胡桃先輩の顔色、さっきよりいいので」
その言葉に、私は少しだけ肩の力が抜けた。
ほんとに、みんないると心強い。
時計塔の入口は、すでに開いていた。
人気のない廊下。
消えた教室の明かり。
遠くで鳴る風の音。
その中で、時計塔だけが静かに空へ伸びている。
古く、高く、近づくだけで胸がざわつく場所だった。
「いよいよやな」
蓮くんが低くつぶやく。
「はい」
私はうなずいた。
手の中には、母の手紙がある。
折りたたんで胸ポケットにしまっていても、その存在はずっとあたたかかった。
「胡桃」
隣で、氷河ノ先輩が足を止める。
「最後にもう一回言う」
「……はい」
「絶対に離れるな」
低くて、まっすぐな声。
私は先輩を見上げて、小さく笑った。
「わかってます」
「返事が軽い」
「軽くないです」
「なら手」
「え?」
「つなぐ」
「えっ」
「嫌か」
その聞き方はずるい。
でも今さら断れるわけがない。
「……嫌じゃ、ないです」
そう答えると、先輩は何も言わずに私の手を握った。
大きくて、熱い手。
そのぬくもりがあるだけで、不思議なくらい足がすくまない。
「この状況で自然にいちゃつけるのすごいな」
いおりくんがぼそっと言う。
「黙っとけ」
氷河ノ先輩が即答する。
「でもちょっと安心しました」
いおりくんは小さく笑う。
「胡桃先輩の顔色、さっきよりいいので」
その言葉に、私は少しだけ肩の力が抜けた。
ほんとに、みんないると心強い。
時計塔の入口は、すでに開いていた。