病弱な幼馴染を優先する奴が婚約者ですって?即刻断ってよお父様!
「コーデリアよ、お前の婚約者が決まった!相手は伯爵家のフィリップ殿だ!」



「……お父様マジで言ってます?」



「マジもマジおおマジだ!お前なんて言葉遣いをしているんだ!」




「……家だからいいでしょう!外ならばもう少し猫被りをしてますわ、マナーなんて所詮そんなものでしょう!」



「……まったく我が娘ながらなんてガサツなんだ!」




「問題ありませんわ!おい親父!とかいうほどアバズレではなく、ちゃんとお父様など敬意を持つ相手に言葉遣いを間違えたりはしていないのだから!」




「……だからギリギリ許しているが、だからってなぁ……もう少し女らしくと言うか何というか……!」



「だからその何とからしさってそういう風に見えればいいだけでしょう?そしてそれって外のそういうことを気にする奴を騙すための方法に過ぎずに、家でそんな馬鹿なことをする意味なんてありませんわ!」



「だからその調子で外で言ったりしないかとワシは心配しておってな……」



「逆ですわ、外では馬鹿を騙す気なんだから、徹底的にちゃんとやりますわ、これがプロの令嬢ってやつですわ!」




「……どうしてここまですれてしまったのか!」




「当たり前じゃない、こんなこと真顔でやる奴がいたら馬鹿よ、だって令嬢のマナーなんて茶番なのだから、もしも火事になって逃げるのならば、ドレスだの歩き方なんて無視して全力で走り去るでしょうに!だから大事な事でも何でもありませんわ!」




「……分かった分かった我が娘ながらああいえばこういう……そして心配なんだが、結婚が決まったぞ!」




「だからそれ正気ですか?話戻しますけどね!」



「何故だ?、フィリップ殿は伯爵家で、我が子爵家よりも格上では無いか!まさかお前もっと上がいいとか高望みをしているのか?厚かましいぞ!それにだ、フィリップ殿の伯爵家は歴史もある、地位以外にも優れていると言えるんだぞ!」




「ええそこはいいですよ、別に私は極論相手が問題無ければ男爵家だって文句を言う気はありませんよ、そういう高望みは無いです、まして家柄で言えばお父様よくそんな婚約をなせましたねって思うレベルです、ですがお断りです!」



「おいワシを舐めてるのか!それはそれでいいとして、何でお断りなんだ!言っておくがいかにワシがお前を溺愛してるからってこの政略縁談は断るのは許さんぞ!」




「だってフィリップ様って幼馴染の男爵令嬢の見舞いを行ってる馬鹿って有名じゃない、アホらしくてそんなのと婚約したくないですわ!」



「ええいワガママを言うな!そんなもの優しくて良いでは無いか!病気のものを心配して何が悪い!お前はそんなに冷たくなってしまったのか!」



「はぁ……お父様正気で言ってます?」



「……確かにこじつけたのは認めるがだが反対は許さないぞ!」





「言っておきますけどね、そんなのと婚約しても我が家は得を絶対にしませんよ!」




「何故言い切れる?まさか自分だけを見ない男はいらんとか言いたいのか?」




「それは恋愛結婚ならばそう思うけど政略結婚ならばそんな馬鹿なことは思いませんわ!」



「ならなぜだ!」




「単純に考えて、その病気の幼馴染の男爵令嬢って別に貴族令嬢じゃん、見舞いなくても世話する侍女もいて、薬を出す医者だって呼べる程度には権限や財力はあるわけじゃない、どっかの貧乏奴隷の女じゃないのだから!だから見舞いなんていらないのよ!」



「お前は冷たい奴だなぁ!幼馴染が来て嬉しいとかあるから言ってるのだろう!」




「はぁ……じゃあ私ならばはっきり言いますけどね、仮に病気でも、幼馴染とは言え格上の家の男を呼びつける、こんな迷惑をしていたら、絶対に気を使うなり、いや仮にそれが無くても家の悪評を考えて絶対に断りますよ、見舞いに来てくれないと死んでしまうような貧乏な出身じゃないのだから!」




「いやそこを見舞うのが男気なのでは?」



「はぁ?お父様本気で言ってます?」



「……」



 ちっ……お父様め、何とか縁談を成立させたくて、適当な捏造ばかり言ってるな?


 そう言うの無駄だってことをどうして分からないのか!


 本当に頭が悪い!



「お父様?仮にその幼馴染とやらが私のように断っても押しかけているとしたら、それはただの迷惑野郎です、逆に来なくても死にもしないのに呼びつけているアホ令嬢ならば、断れないフィリップ様が頭も気も弱いただの無能です、どっちにしても問題だからこそ、まともな縁談が無くて、お父様のような下位貴族に話が持って来られただけでは?そしてこんな調子では、伯爵様も我が家と提携したいというよりは、フィリップ様の引き取り先を探しているだけで、そんな程度の動機の婚約では、期待なんかできませんよ!」





「な……ならばワシがそこの弱みをついて、上手く交渉して見せるさ!」




「伯爵様がそこまで甘くないと思いますけどね、さらに仮に上手くいったとしても、フィリップ様と結婚しても絶対に損をします!」




「何故言い切れるのだ!」




「だってもしもその幼馴染を心底愛しているのならば、損を承知で結婚をするはずで、そこまではしないのであれば、ただのええカッコしいの馬鹿か、幼馴染が図々しいのならばそれも断れない軟弱もの!どっちにケースでもいいですけどね、半端野郎のクソ雑魚なんですよ、そんな男が子爵家のためになることをしてくれるわけもなく、さらに自分の家にも災いをもたらす馬鹿ですよ、つまり伯爵家も、フィリップ様の代ではゴミクズになるか、または他の者が後を継ぐでしょうから、一切おいしくありませんよ!」





「だがそこをお前との愛で何とかならないのか?」




「はぁ?????????????????????????お父様マジで言ってます?」




「……」


 このクソ親父が!何が愛だ!政略結婚でそんなのあるわけないし、仮にその後芽生えるとしても、病弱な幼馴染を優先するボケとどうやれば芽生えるんだ言ってみろや!



 私は完全に呆れ果てたので適当に言うことにした……



「タイプじゃないので無理です!」


 シンプルイズ権化!ベスト!

 どうだまいったか!




「そりゃあ無理だな仕方ないな……」



 お父様も謎に納得してめでたく解決しましたとさ……!
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