水面に消える月
夜が来るたび あなたを思い出す
窓辺に座り 窓硝子に映る自分と対話する
あの日と同じ ひとりきりの部屋で
時間だけが 静かに流れていく

あなたとの思い出が 胸の奥で疼く
手のひらに残る 温もりももう冷めてしまった
笑い声も涙も 全てを飲み込んだ海の底へ
沈んでいくように 遠ざかっていく

約束したはずなのに
ずっと一緒だよって
波のように寄せては返す嘘
信じていた 私が愚かだった

あなたのいない朝を 何度迎えただろう
カーテンを開ける手が震える
まぶしい光が差し込むたび
影になって消えたかった

時計の針が刻む音さえ 罪のように響く
あなたが座っていた椅子に 今も居場所があるのに
二度と戻らない その姿だけが空白を埋める

空を見上げれば 星があなたに見える
声にならない叫びも 夜風に乗って届くだろうか
どうして もう一度だけでいいから
あの温もりを感じたいと願う私がいる

電話の履歴に残る 名前も連絡先も消したけれど
記憶だけは 削除できない
まるで呪いのように 私を縛り続ける
あなたの不在という名の鎖が

川の流れのように 止められない時の中で
私はただ 深い哀しみに溺れている
あなたの存在が全てだった世界は
今は色を失った 単調な日々に変わった

誰にも言えない この痛みを抱えて
生きていかなければならない
水面に映る月のように 揺れて揺られて
いつか消えゆく運命だと知りながら

あなたが好きだと言った花を 毎年植えてしまう
季節が巡るたび 胸を締めつける記憶
美しいはずの庭も 鉄格子のように感じるのは
閉じ込められたままの 私の心だから

何千回と繰り返す 自問自答の中で
答えなど見つからない
ただ確かなことは あなたへの想いが
この身を焼き尽くすほど 激しく深いということ

愛していた 今でも愛している
それなのに なぜこんなにも遠いの
触れた指先の記憶さえ 幻みたいに淡くなる
時は残酷だ 何もかも奪っていく

静かな夜更けに 誰かの足音が聞こえた気がして
振り返れば そこには誰もいない
幻聴なのかもしれない この切ない願望が生んだ
会いたくて会いたくてたまらない 叫びが形になったもの

鏡に映る自分に かつての面影を探す
輝いていた瞳も 笑顔も消えてしまった
あなたに出会う前の 私に戻れるのなら
この痛みともさよならできるだろうか

風が吹くたびに 胸が痛む
窓辺に置いた写真立て 埃を被ったまま
二人の笑顔だけが 鮮やかすぎて
現実とのコントラストに 目を背けたくなる

季節が移ろうごとに あなたの匂いが薄れて
代わりに漂ってくるのは 冷たい孤独の香り
雨の日には傘をさしながら ふと思う
もしも隣にあなたがいたら
そんな妄想だけが 唯一の慰め

街角で似た後ろ姿を見かけては
何度も立ち止まり 追いかけそうになる
だけど振り向いたその人が あなたじゃないことを知って
また深く傷つく自分を繰り返す

夢の中であなたに会えることを
これほど強く願う夜もないのに
いつも通り過ぎていくだけで
触れようとしても 霧のように消えてしまう

明日こそは次こそはと
幾度も諦めた希望の糸が
今日もまた切れそうになっている
それでも捨てられないのは
まだどこかであなたを求めているから

友達が優しい言葉をくれても
心の奥底には届かない
本当は分かっている
私が欲しているのは あなただけなんだ

夜明け前 窓の外を眺めながら
新しい一日が始まる恐怖に怯える
今日もまた あなたを探してしまうのか
今日もまた あなたを見つけられず終えるのか

時間が解決してくれるというけど
私の痛みは一向に癒されない
それどころか年々強くなって
今では生きる理由さえ見失っている

海辺に立って 打ち寄せる波を見るたび
この波があなたならと思う
冷たく私を包み込んで
そのまま連れ去ってくれたら

誰かに聞いてほしい この切実な叫びを
でもきっと理解されないだろう
他人にとっては些細な出来事でも
私にとっては人生そのものが終わったような喪失感

春の訪れとともに咲く花々も
夏の夕暮れの美しい空も
秋の紅葉の鮮やかな色彩も
冬の雪景色の儚ささえも
あなたのいない世界では 意味を持たない

もし奇跡が起こるとしたら
もう一度だけ逢わせてください
ただ一言だけ伝えるために
愛していますと
そして今度こそ別れを受け入れられる勇気をください

あなたのいない未来を歩む力が欲しい
でもそれは同時に過去と決別することを意味する
心のどこかでそれを恐れている
この切なさの中に生きていたいと思っている自分がいる

時計の針が進むたび
あなたの不在の大きさを思い知らされる
いつかこの痛みを超えて行ける日が来るのだろうか
それとも永遠に抱えたまま朽ちていくのだろうか

空に向かって放つこの祈りが
どこかであなたに届きますように
そして私のこの悲しみが
いつか誰かの心を癒す詩となりますように

夜の闇に溶けていく
私の魂の一部のようなこの想いが
いつか新しい光となって
あなたの心にも届きますように
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