加納欄の豚まんシリーズ34シーズン4
祥子さんは、大きなため息をついた。

「まったく……応援呼ばなきゃ」

「…………」

「それにしても、この人数どうやって……」

「あ!」

「なによ?何か思い出したの?」

あたしは時計を見る。

「いけない! 当直!」

「は?」

「あたし、当直なんで署に戻りますねぇ」

ぺちゃんこの豚まんを袋に戻す。

「じゃ、お疲れさまでした!」

「ちょっと待ちなさい!」

聞こえない。

聞こえない。

あたしの耳には、何も聞こえない。

あたしは、そのままスタスタ歩き出した。

「欄ちゃん! 手伝いなさいよ!」

聞こえなぁい。

「加納欄!」

……フルネームで呼ばれた。

でも。

「当直、遅刻しちゃうんでぇ!」

あたしは振り返らず、南署へ向かった。
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