甘いヒーローの独り占め
20話
少しの沈黙に包まれたあと、智也が口を開いた。
「…来週のサークル遅れるか…欠席するかもしれない」
「え…あ、お仕事?」
「あぁ。契約希望の企業と打ち合わせが入った」
「そっか…じゃあ、先輩たちに伝えておくね…」
桜子が食べ終えたエクレアの袋を、智也がとってゴミ箱に捨てにいった。
(……なんか…こんなにすごい人が私なんかを…?)
ソファーへ戻りかけた智也は、洗面所から聞こえる音を聞いて、歩く足の方向を変えた。
洗面所に着いた智也は、止まっている洗濯機を見ながら、赤くなる顔の口元を手で隠すように覆う。
「……」
洗濯機を開けて、ホカホカの温かい桜子の服をとり、シワを伸ばした。
何度も、桜子の赤くなる表情を思い出してしまう智也。
そのまま服を持って、桜子の元へ戻った。
「桜子。乾いた」
「あ…ありがとう…!べ、別の部屋…借りていい?」
「…あぁ。…そうしてくれ…」
ソファーから立ち上がった桜子は、智也の元へ行き、服を受け取ろうと手を伸ばした。
智也が服を渡した直後に、桜子を横抱きにする。
「と、智くん…!?」
「その格好、俺の目に毒だって言ってる」
「でも…っ……〜…!」
見上げていた桜子は、大人しくなって智也に身を預けた。
仕事部屋のドアが開かれると、そっと下ろされた。
桜子の頭をポンポンと撫でると、目線を逸らしながら、すぐに部屋を出ていく智也。
部屋のパソコンや機材などをみると、桜子は改めて学生起業家の顔を持つ智也を思った。
(……智くんは智くんなのに…なんでこんなに…寂しいんだろ…)
ぼんやりと考えたあと、服を着替える桜子。
フワッと香る柔軟剤が、先ほど匂った智也の香りと同じなことに気づいた。
ドキッと鳴る鼓動と共に、顔を赤くしたまま、借りていた服を畳んで部屋を出た。
「桜子、タクシーがもう着いてるから、乗って帰っていい。下まで送る」
「…え?え!?」
「タクシー代。ちゃんと自宅までって伝えられるか?」
「そっ、どっ、で…できるよ…!あと…服、洗って返すね」
「あぁ」
フッと笑ってから桜子のバッグを持つと、玄関に向かった。
慌ててあとをついていった桜子は、一緒に靴を履いて、智也の家から出る。
そして、エレベーターで下まで降りると、本当にタクシーがあることに驚いた。
タクシーのドアが開くと、現金を桜子に渡した。
「気をつけて帰れよ」
「あ…ありがとう…来週…」
「あぁ。来週、な」
それを最後に、ドアが閉まると、車が走り出した。
「…来週のサークル遅れるか…欠席するかもしれない」
「え…あ、お仕事?」
「あぁ。契約希望の企業と打ち合わせが入った」
「そっか…じゃあ、先輩たちに伝えておくね…」
桜子が食べ終えたエクレアの袋を、智也がとってゴミ箱に捨てにいった。
(……なんか…こんなにすごい人が私なんかを…?)
ソファーへ戻りかけた智也は、洗面所から聞こえる音を聞いて、歩く足の方向を変えた。
洗面所に着いた智也は、止まっている洗濯機を見ながら、赤くなる顔の口元を手で隠すように覆う。
「……」
洗濯機を開けて、ホカホカの温かい桜子の服をとり、シワを伸ばした。
何度も、桜子の赤くなる表情を思い出してしまう智也。
そのまま服を持って、桜子の元へ戻った。
「桜子。乾いた」
「あ…ありがとう…!べ、別の部屋…借りていい?」
「…あぁ。…そうしてくれ…」
ソファーから立ち上がった桜子は、智也の元へ行き、服を受け取ろうと手を伸ばした。
智也が服を渡した直後に、桜子を横抱きにする。
「と、智くん…!?」
「その格好、俺の目に毒だって言ってる」
「でも…っ……〜…!」
見上げていた桜子は、大人しくなって智也に身を預けた。
仕事部屋のドアが開かれると、そっと下ろされた。
桜子の頭をポンポンと撫でると、目線を逸らしながら、すぐに部屋を出ていく智也。
部屋のパソコンや機材などをみると、桜子は改めて学生起業家の顔を持つ智也を思った。
(……智くんは智くんなのに…なんでこんなに…寂しいんだろ…)
ぼんやりと考えたあと、服を着替える桜子。
フワッと香る柔軟剤が、先ほど匂った智也の香りと同じなことに気づいた。
ドキッと鳴る鼓動と共に、顔を赤くしたまま、借りていた服を畳んで部屋を出た。
「桜子、タクシーがもう着いてるから、乗って帰っていい。下まで送る」
「…え?え!?」
「タクシー代。ちゃんと自宅までって伝えられるか?」
「そっ、どっ、で…できるよ…!あと…服、洗って返すね」
「あぁ」
フッと笑ってから桜子のバッグを持つと、玄関に向かった。
慌ててあとをついていった桜子は、一緒に靴を履いて、智也の家から出る。
そして、エレベーターで下まで降りると、本当にタクシーがあることに驚いた。
タクシーのドアが開くと、現金を桜子に渡した。
「気をつけて帰れよ」
「あ…ありがとう…来週…」
「あぁ。来週、な」
それを最後に、ドアが閉まると、車が走り出した。