甘いヒーローの独り占め

4話

すぐに多数のサークルからビラを配られたり、声をかけられたりする。


「テニスサークルでーす!やば!そこのイケメン!どうですか~?」

「……」

「アウトドアサークルどうぞ~!」

(す、すごい…みんな元気…)


女子からの声掛けをスルーしていく智也とは反対に、ビラをもらいながら苦笑いする桜子。
その様子を見た智也は、ため息をついた。


「…もう映画サークルに行った方がいいんじゃないか?」

「そうしよう…かな…。あ、でも智くん、他のサークル…」

「見なくていい。桜子と一緒のサークルにする」


智也は差し出されるビラを断って、映画サークルを探した。
少し歩いた二人は、ようやく人だかりの落ち着いている場所へ。


「そういえば、智くんは普段どんな映画見てるの?」

「…アクション系が多いな。最近は一話完結の海外ドラマにハマってる」

「私もアクション系好き!それに、海外ドラマもおもしろいから、見だすと止まんなくなっちゃうよね~」

「……今度、おすすめ送っとく。サブスクで見れるだろ」

「一話完結のでも、私いっぱい見ちゃいそう…あ。あった」


スマホを取り出していた智也は、桜子が指差す方向を見て、ようやっと映画サークルを見つけられたことに安堵する。
そのままスマホ操作をしてから、桜子と一緒にサークルへの加入を伝えに行った。


「大歓迎だよ1年生!!しかもイッケメンじゃん!」

「黒崎くんだよね?語彙力なくす美形がいるって噂すごいよ~」

「………はぁ…」


男女の先輩に話しかけられるも、テキトーな相槌を打ちながら、目を逸らして話を聞き流していた智也。
ふと、桜子の方へ視線を向けて、ギョッとする。


「映画好きなんだ~。あ、これね、今鑑賞会してる作品とかなんだけど」

「これ、この前上映あってたのですか?結構、迫力ある予告でしたよね」

「そうそう!すっごく良かったんだよ。サークルに入るならぜひ見てほしい1本!他にもおすすめが」

「桜子」


爽やかな男子の先輩と一緒に、ビラを覗き込んでいた桜子は、笑顔で答えた。
後ろから聞こえてきた自分の名前に振り返ると、智也が手招きしてくる。
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