恋と焦燥のロードマップ
そういうと、佐伯さんは少しだけ笑った。
「そういうところ、変わりませんね」
何のことか分からず、俺は首を傾げた。
佐伯さんが「そういえば」と何か思い出したように言った。
「再来週ですけど」
「はい?」
「久しぶりに、少し長めに休みが取れそうですよ」
「そうなんですか?」
「三日くらいですけどね。最近、まとまった休みありませんでしたし。実家にでも帰られたらどうですか?」
その言葉に、窓の外へ向けていた視線を戻した。
「……実家、ですか」
「ええ。最近、帰ってないでしょう」
「…そうですね」
少し考えてから、答える。
「もう、長いこと帰ってないですね」
「たまには顔見せたほうがいいですよ。ご両親はお元気なんでしょう?」
「はい。元気ですね」
そう答えながら、実家のことを思う浮かべる。最後に帰ったのは、いつだっただろう。考えようとして、やめた。
「でも、せっかくの休みなので」
「はい」
「雫さんと、遠出でもしようかなって」
佐伯さんが少しだけ笑った。
「雫さんっていうんですね」
「……はい」
「彼女さん」
「……まぁ」
改めてそう言われると、少し照れくさい。
「そうですか。それなら、それもいいですね」
「はい」
それ以上、実家の話は続かなかった。
車は静かに夜の街を走っていた。ポケットの中でスマートフォンが一度だけ震える。雫からだった。
『お疲れ様』
画面を見て、短く返信する。
『ありがとう。今帰ってる』
送信してから、窓の外へ視線を戻した。
明日も仕事がある。その次の日も、その先も、これまでと同じように、俳優としての日々は続いていく。その隣に、これからは雫との時間も増えていく。そんな毎日が、少し楽しみだった。
「そういうところ、変わりませんね」
何のことか分からず、俺は首を傾げた。
佐伯さんが「そういえば」と何か思い出したように言った。
「再来週ですけど」
「はい?」
「久しぶりに、少し長めに休みが取れそうですよ」
「そうなんですか?」
「三日くらいですけどね。最近、まとまった休みありませんでしたし。実家にでも帰られたらどうですか?」
その言葉に、窓の外へ向けていた視線を戻した。
「……実家、ですか」
「ええ。最近、帰ってないでしょう」
「…そうですね」
少し考えてから、答える。
「もう、長いこと帰ってないですね」
「たまには顔見せたほうがいいですよ。ご両親はお元気なんでしょう?」
「はい。元気ですね」
そう答えながら、実家のことを思う浮かべる。最後に帰ったのは、いつだっただろう。考えようとして、やめた。
「でも、せっかくの休みなので」
「はい」
「雫さんと、遠出でもしようかなって」
佐伯さんが少しだけ笑った。
「雫さんっていうんですね」
「……はい」
「彼女さん」
「……まぁ」
改めてそう言われると、少し照れくさい。
「そうですか。それなら、それもいいですね」
「はい」
それ以上、実家の話は続かなかった。
車は静かに夜の街を走っていた。ポケットの中でスマートフォンが一度だけ震える。雫からだった。
『お疲れ様』
画面を見て、短く返信する。
『ありがとう。今帰ってる』
送信してから、窓の外へ視線を戻した。
明日も仕事がある。その次の日も、その先も、これまでと同じように、俳優としての日々は続いていく。その隣に、これからは雫との時間も増えていく。そんな毎日が、少し楽しみだった。