目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です
こんなこともあった。

​部署のフロアにある共有の給湯室やゴミ箱周辺。

夕方になるとどうしても散らかりがちなその場所で、真由の飾り気のない優しさが静かに発揮されていた。

​残業で遅くなった夜。

たまたま給湯室に入った後輩が見たのは、誰にも気づかれない時間帯に、シンクの水滴をクロスで拭き上げ、三角コーナーを綺麗にし、補充用のコーヒー豆の残量を確認している真由の姿だった。

​「どうしてそこまでやるんですか?」と後輩は訊ねた。

真由は照れくさそうにこう答えた。

「明日1番にここを使う人が、朝からちょっとでも気持ちよく仕事できたらいいなと思って。それに、綺麗にすると自分の気持ちもすっきりするしね」

​自分の手柄にするわけでもなく、日々のルーティンとして当たり前に「次の誰か」を思って行動動する。

どれもが表立って感謝されることのない作業だ。

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