目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です
その彼真由が今や、完璧な角度の深々としたお辞儀とともに、最上級の敬意に満ちた眼差しを真由に向け、それらをデスクへ置くと静かに退出していった。

​真由が息を呑んで見つめる中。

奥の執務デスクから袖のボタンを少し緩めた蓮が歩み寄ってきた。

​「開けてごらん、真由」

​鷹司の静かな声に促され、真由は木箱の蓋を開けた。

中に収められていたのは、真由と蓮が生まれた年のヴィンテージ・ワインと、1通の重厚なカード。

​『素晴らしい盤面だった。鷹司の流儀を越えてみせた2人に、この1杯を贈る』

​流麗な筆跡で刻まれていたのは、鷹司宗一郎のサインだった。

​「あの叔父様が、身内以外の誰かに自らワインを贈るなど聞いたことがないな」

​蓮はフッと不敵でどこか誇らしげな笑みを浮かべると、真由の肩に優しく手を置いた。

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