目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です
episode4ーー雨の夜
昼過ぎから降り始めた雨は定時を過ぎた頃から、雨脚が激しくなった。

本降りになってきた雨。

時計の針は午後20時に、なろうとしていた。

社内に社員は数人しか残っていなかった。

​真由がデスクでPCに向かっていると、不意に視界が暗くなった。

上質なローズウッドの香りがふわりと薫った。

​「まだ残っていたのか」

​真由の見上げた先、整った顔があった。

柔らかい微笑みを浮かべ鷹司が立っていた。

仕立ての良いスーツのジャケッの袖を肘下まで巡り、ネクタイを少し緩めている。

普段の完璧な副社長の顔から、少しだけプライベートな雰囲気を覗かせる姿に、真由の胸が跳ねる。

「副社長……はい、本日の打ち合わせ議事録をまとめてから帰ろうと思いまして」

​「そうか。だが、今日の君のノルマはもう終わりだ」

​鷹司はそう言って、真由のPC画面を覗き込むように身をかがめた。


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