目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です
「そう見えていたなら、うまくいっているということだな」

鷹司は自嘲気味に微笑むと、真由をじっと見つめた。

​「社内ですれ違うたび、声もかけずに通り過ぎるのがどれほど骨だったか、君には想像もつかないだろうな」

真由の胸は​静かな声の裏に滲む熱に、キュッと締めつけられる。

「私も……同じでした。すれ違うたび、胸が痛いくらいで」

​真由が視線を落とすと、鷹司の手がテーブルを渡り、真由の手の上に重なった。

鷹司の冷えたグラスを持っていた指先は、冷たくもなく温かくもない。

丁度良い温度で、真由の手を静かに包み込む。

​「今夜は、君に提案があって呼んだ」

​鷹司はグラスを置くと、テーブルの上で真由の手を静かに包み込んだ。

​「来週の週末、少し時間を取れないだろうか。……日帰りで構わない。会社の人間はもちろん、誰の目も届かない場所を用意した」
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