元カレ弁護士の恋事情
「会社の信用問題に関わるため、顧問弁護士に来てもらうことにした」
弁護士……。そこまで大きな話になっているなんて。
その時、会議室の扉がノックされ、秘書の女性が入ってくる。
「社長、弁護士の先生がお見えになっています」
「ああ、入ってもらって」
社長が促すと、品のいいフォーマルシューズの足元が見えた。
「すみません、遅くなりました」
(えっ……?)
聞き覚えのある声に、パッと顔を上げた。
見間違えるはずがなかった。
あの頃よりも、少し大人びた雰囲気になっている彼を見て、息が止まりそうになる。
「顧問弁護士の久我誠治と申します」
仕立てのいいスーツ姿の彼が、頭を下げる。
顧問弁護士……。そうか、彼は、ちゃんと夢を叶えたんだ。
ほんの少しだけ涙が込み上げて、俯いて瞬きでごまかす。
〝久我さん〟は、それぞれと名刺交換した後、最後に私の前で名刺を差し出した。
受け取る指先が、わずかに震える。
「……久我です」
「大谷、です……」
あれから十年近くの時が経っている。
私たちはまるで初対面のように、よそよそしく挨拶を交わした。
弁護士……。そこまで大きな話になっているなんて。
その時、会議室の扉がノックされ、秘書の女性が入ってくる。
「社長、弁護士の先生がお見えになっています」
「ああ、入ってもらって」
社長が促すと、品のいいフォーマルシューズの足元が見えた。
「すみません、遅くなりました」
(えっ……?)
聞き覚えのある声に、パッと顔を上げた。
見間違えるはずがなかった。
あの頃よりも、少し大人びた雰囲気になっている彼を見て、息が止まりそうになる。
「顧問弁護士の久我誠治と申します」
仕立てのいいスーツ姿の彼が、頭を下げる。
顧問弁護士……。そうか、彼は、ちゃんと夢を叶えたんだ。
ほんの少しだけ涙が込み上げて、俯いて瞬きでごまかす。
〝久我さん〟は、それぞれと名刺交換した後、最後に私の前で名刺を差し出した。
受け取る指先が、わずかに震える。
「……久我です」
「大谷、です……」
あれから十年近くの時が経っている。
私たちはまるで初対面のように、よそよそしく挨拶を交わした。