俺にだけ弱さを見せろ~無口な生徒会長の過保護な溺愛命令~
緊張で乾いたノブを回して中に足を踏み入れると、目の前には想像を絶する光景が広がっていた。

こ、高級すぎないかな⋯?

中央に置かれた革張りの大きなソファセットと、その奥にある立派な執務机。

そしてその机の上には、山のように積み上げられた書類の塔が幾つもできていた。

「……遅い」

「ごめんなさい! 終礼の後に少し片付けがあって……っ」

私が反射的に頭を下げると、九条くんはペンを止め、青みがかった黒い瞳で私をじっと見つめた。

「責めているわけじゃない。そこへ座れ」

彼が指差したのは、執務机のすぐ近くに設置された小さなサポート用デスクだった。

そこには既に、私の分の椅子と文房具一式が整然と並べられている。

「常磐さん、いらっしゃい。生徒会長から急に引き抜きの話を聞いてびっくりしたよ」

そう声をかけてくれたのは、隣のデスクでパソコンを叩いていた副会長の仙道くんだった。

生徒会室の中を見渡すと、副会長の他にも、書記や会計を担当する役員たちが数名、それぞれ忙しそうに資料の整理や問い合わせの電話対応に追われていた。
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