欲しがる妹に婚約者をあげたら、なぜかキレられました。これって私が悪いのでしょうか?
「本当にありがとう、ミレイヌ。良かったわー、ルシアンをもらってくれて。これで私も心置きなく、新しい婚約者を探せるわ」

 私は仕返しのように、笑って見せた。
 先ほどミレイヌが見せた様に。
 口角を上げ、どこまでも嫌味な顔で。

「なっ!」

 怒りに震え、驚くほど叫ぶミレイヌを無視し、私は父の執務室へ向かう。
 そこでルシアンをミレイヌに正式に譲ることになったと、母たちに宣言した。

 母はようやく姉としての自覚が出て来たのかと大喜びだった。

 そんな姿を見たせいか、ミレイヌももうこの婚約の取り換えがどうしようもないことをようやく理解していたようだった。
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