最後の謎は君だった
 私は何も言えなかった。

 ただ、彼の言葉を聞いていた。

 先生が尋ねる。

「じゃあ、誰がやったのか分かるのか?」

「まだ分かりません」

「じゃあ、浅井さんは……」

「少なくとも」

 零が遮った。

「この答案だけで、浅井さんを犯人だと決めつけるのは無理があります」

 その言葉を聞いた瞬間。

 張りつめていたものが、少しだけほどけた。

 零は私を庇ったわけじゃない。

 慰めてもくれなかった。

 ただ、そこにある事実だけを見ていた。

< 11 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop