最強ヴァンパイアに溺愛されています!
連れて行かれたのは、やっぱり昨夜と同じ旧校舎だった。
人気のない廊下は静かで、夕暮れの名残と夜の気配が混ざっている。

「ここ……」

「怖いか」

前を歩いていたルカが振り返る。
美月は首を横に振った。

「少しだけ、緊張してる」

正直に答えると、ルカは数秒だけ黙り込む。
それからそっと、美月の手首を取った。

「……なら、これで我慢しろ」

ひんやりした指先。
なのに握られた場所はじんわり熱くなる。

「る、ルカくん」

「離したら迷うだろ」

ぶっきらぼうなのに、やさしい。
その不器用さが、胸の奥をくすぐる。

ふたりでたどり着いたのは、昨夜と同じ月明かりの差しこむ空き教室だった。
窓辺に立つルカは、やっぱりどこか人ではないほどきれいで、美月は見とれてしまう。
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