最強ヴァンパイアに溺愛されています!
「俺、天城夜斗。昨日からお前のこと、ちょっと噂になってる」

「噂……?」

「そ。守ってもらわないと危ないかもな」

からかうみたいな口調なのに、夜斗の視線は妙に真剣だった。

「夜斗、怯えさせないで」

やわらかな声が割って入る。
教室の中央に立っていたのは、整った微笑みを浮かべた男子。
品のある雰囲気で、制服の着こなしまで完璧だった。

「僕は一ノ瀬玲。生徒会長をしているんだ。困ったことがあれば、いつでもおいで」

優しそうに微笑む玲に、美月が少しほっとしたその時。

「玲先輩、それじゃ足りないでしょ」

今度は後ろからひょこっと顔を出した後輩らしい男子が、無邪気に笑った。
ふわっとした空気をまとっていて、懐っこい笑顔が目を引く。

「俺、如月奏多です。美月先輩、可愛いですね。もう仲良くしてもいい?」

「え、あ……」

いきなり距離の近い奏多に戸惑っていると、廊下側の席から無言の気配が立ち上がる。

長身で、静かで、ひどく無口そうな男子。
神楽冬真は何も言わないまま美月の近くへ来ると、奏多の肩を軽く引いた。
< 3 / 84 >

この作品をシェア

pagetop