英雄として死んだはずの夫が、隣国で結婚して私への褒美を盗みに来ました
 アレンは私が王家に遣いを出したことで、すぐに騎士団がやってきた。
 
 うなだれるように連行されていく夫だった男の背中を、私は一人眺める。

 あの日とはまったく違う状況。
 もうあの背中を追いかける夢を見ることはないだろう。

 だけどそれすらも、私にはどうでもよく思えてしまった。

「さぁ、また明日から大変そうね」

 やるべきことはたくさんある。
 
 私は左手の薬指にいつまでも輝いていた銀の指輪に手をかける。

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