あなたが私を忘れても、わたしはあなたを忘れない。
*
帰り道。
湊がコンビニの前で立ち止まった。
「美月」
「ん?」
「肉まん食べる?」
私は思わず笑ってしまった。
「何?」
「なんでもない」
「絶対何かある」
「昔もよく食べてたから」
「俺が?」
「うん」
「じゃあ、半分こしよう」
「いいの?」
「もちろん」
一つの肉まんを二人で分ける。
懐かしい。
胸が温かくなる。
すると湊が、
突然言った。
「ねえ、美月」
「なに?」
「俺たちってさ」
「うん」
「昔、付き合ってた?」
私は足を止めた。
「……どうして?」
「なんとなく」
湊は少し照れながら笑う。
「友達にしては、距離が近すぎる気がする」
「……」
「違う?」
私は答えられなかった。
すると湊が、
「ごめん」
と笑った。
「言いたくないなら言わなくていい」
「……付き合ってたよ」
小さな声で言った。
「え?」
「私たち」
私は湊を見る。