あなたが私を忘れても、わたしはあなたを忘れない。


*

帰り道。

湊がコンビニの前で立ち止まった。

「美月」

「ん?」

「肉まん食べる?」

私は思わず笑ってしまった。

「何?」

「なんでもない」

「絶対何かある」

「昔もよく食べてたから」

「俺が?」

「うん」

「じゃあ、半分こしよう」

「いいの?」

「もちろん」

一つの肉まんを二人で分ける。

懐かしい。

胸が温かくなる。

すると湊が、

突然言った。

「ねえ、美月」

「なに?」

「俺たちってさ」

「うん」

「昔、付き合ってた?」

私は足を止めた。

「……どうして?」

「なんとなく」

湊は少し照れながら笑う。

「友達にしては、距離が近すぎる気がする」

「……」

「違う?」

私は答えられなかった。

すると湊が、

「ごめん」

と笑った。

「言いたくないなら言わなくていい」

「……付き合ってたよ」

小さな声で言った。

「え?」

「私たち」

私は湊を見る。
< 24 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop