俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない
どこまでも身勝手で、俺様で、傲慢な言い草だ。

だが、その言葉の裏にある揺るぎない力強さが、死の恐怖に怯えていた葵の心に不思議なほど強く突き刺さった。

​「お前はただ、俺の指示に従い、心拍を維持することだけを考えていればいい。……余計な感情はすべて捨てろ」

​「……御堂……せんせい……」

​その時、ドアが勢いよく開き、処置薬を持った看護師たちが飛び込んできた。

​「御堂先生! 薬品用意できました!」

​「遅い。ラインの確保は俺がやる。シーネ(固定具)を出せ」

​律は立ち上がると、白衣の袖を肘まで捲り上げ、点滴の準備に入った。

律は看護師たちが息をのんで見守る中、葵の細く冷たくなった手首をそっと取った。

​発作による末梢血管の収縮で、点滴の針を刺すのは極めて難しい状態のはずだった。

だが、律の指先が葵の皮膚を軽く圧迫した瞬間、迷いなく針が滑り込む。

​
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