俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない
律はずっと無表情だった顔をほんの僅かに緩め、フッと不敵な笑みを浮かべた。

​

「礼なら当然だ。俺の貴重な睡眠時間を削って処置をしてやったんだからな」

​「……すみません……」

​律はゆっくりと手を伸ばすと、葵の額に落ちていた前髪を、驚くほど優しい手つきでそっと横へ払った。

​指先から伝わる、温かい熱。

​「よく耐えた。命を繋いだことだけは、褒めてやる」

​「っ……!」

​冷徹な態度の隙間に見えた、あまりにも甘く繊細な手つき。

そのギャップに、治まりかけた葵の心臓が、今度は全く別の理由で大きく跳ね上がった。

「今夜はもう何も考えるな。経過は俺が当直室で観ておく」

​律は用意していたタブレットで、葵のリアルタイムバイタルがシステムに同期されたのを確認し、静かに画面を伏せた。
< 13 / 42 >

この作品をシェア

pagetop