俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない
「座れ。冷える前に飲め。3分の1だけだ」

「はい……」

​葵が隣に腰掛け、温かい缶を両手で包み込むと、律は洋書を開いて静かにページをめくり始めた。

​「……律先生、忙しいのに読書をされているのですね」

​「……ただのルーティンだ。医学の進化に追いつけない医師は、患者の命を奪う殺人の一助となる。……特に、お前のような難治性疾患を抱える患者の主治医である以上、俺に妥協は許されない」

​静かで冷徹な言葉だ。

律は本から目を離さないまま、葵が缶を持った細い指に自分の手をそっと重ねてきた。

​「あ……」

「……手が冷えている。缶の温もりだけで満足するな。……俺の体温も使え」

​「律先生……」

​本を読み進める横顔はどこまでも知的で冷徹でありながら、重ねられた手から伝わってくるのは、葵を誰にも渡さないという圧倒的な熱と密やかな激甘だ。

「……早く病室に戻って休め、葵。病室まで送る。……俺はお前が眠りにつくまで、この本を読みながら病室のドアの外で見守っていてやる」

​ツンと澄ました顔で告げられる、究極の過保護。

自販機の明かりの下で、2人は静かに温もりを分かち合った。
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