あの桜の木の下でもう一度、出逢いたい
購買で買った焼きそばパンを一口かじる。

桜の木の下はぽかぽかと温かくて、さっきまでの寂しさが少しだけ和らぐ気がした。

ふと、木の下の根元のくぼみに、何かが置かれているのに気づいた。

枯れ葉や花びらに隠れるようにして置かれていたのは、一冊のシンプルなキャンパスノート。

風で飛ばされないように、小さい綺麗な石が重しとして乗せられている。

「なに、これ……忘れ物?」

気になって手を伸ばし、そっとノートを拾い上げてみる。

表紙を開いてみると、そこには少し大きめの、力強くて綺麗な文字でこう書かれていた。

『交換日記してくれる子、募集中! 暇な人は返事書いてね』

……え? 交換日記?

思わずパチパチと瞬きをしてしまった。

こんな木の根元で交換日記を募集するなんて、どこの誰なんだろう。

どうせ誰かのふざけたイタズラに決まっている。

明日になれば、このノートだってなくなっているかもしれない。

……だけど。

ポケットからシャープペンを取り出すと、私は吸い寄せられるようにノートの次のページを開いていた。

誰にも言えない寂しさを、ほんの少しだけ吐き出してみたかったのかもしれない。
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