あの桜の木の下でもう一度、出逢いたい
翌日、ノートを開くと、佐波先輩からの返事はさらに熱を帯びていた。

『だろ!? アイツ昔からずっとあの調子らしいからな!
あのルール厳しすぎるの本当どうにかしてほしいわー。
でもさ、海月ちゃんが同じ被害に遭ってるって知ってちょっと安心した(笑)
あ、課題終わってなかったら俺のノート貸してあげよっか?』

「もう……先輩ったら」

陽キャらしい、軽やかで気さくな言葉。

ノートの文字を指でそっとなぞるたび、目の前に佐波先輩が立って、悪戯っぽく笑っているような気がした。

顔も声も知らないのにね。

『学年違うので見てもあんま⋯(笑)
でも、ありがとうございます。すごく嬉しかったです。
……実は私、最近ずっと学校に来るのが辛かったんです。
でも、佐波先輩とこうやってお話しできるようになってから、毎日がちょっとだけ楽しくなりました』

素直な気持ちを書き終えて、そっとノートを閉じる。

最初はイタズラだと思って書き込んだ、ちいさな返事。

それが今では、私の毎日を色鮮やかに変えてくれる大切な『宝物』になっていた。
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