加納欄の空白シリーズ35シーズン4
「詳しいことは分からないんですが……」

小野寺さんは、少し困ったような顔をした。

「真中が宮原に、何かを強く言っていたんです」

「何か、覚えていらっしゃいますか?」

高遠先輩が尋ねると、小野寺さんは頷いた。

「確か……ちゃんと、あきこって書いてよ、と」

「あきこ?」

大山先輩が聞き返した。

「はい。真中の名前です」

「それに対して、宮原さんは?」

「困ったように笑っていましたね」

あたしは首を傾げた。

自分の名前を書いてほしいって、どういうこと?

「お二人は親しかったんですか?」

「同じ課ですからね。仕事上の付き合いはありました」

「では、真中さんにもお話を伺えますか?」

大山先輩が尋ねると、小野寺さんは立ち上がった。

「ええ、呼んでまいります」

小野寺さんが会議室を出ていった。

「先輩、名前を書くって、何に書くんでしょうねぇ?」
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